喪中の神棚について
マナーについて
神道では、亡くなった後の霊魂は不滅とされ、祖霊となって子孫を見守ると考えられています。
そのため、神道では、人が亡くなったときにもっとも大切なことは、死者を弔い、死者の魂を鎮めることだとされます。したがって、まずは亡くなった人の御霊を丁寧に祀ることを第一に考えます。
家族が亡くなったら、神棚に亡くなったことを報告し、今まで守っていただいたことに感謝します。そして神棚のしめ縄に白紙をはって、神棚へのお祀りを中止します。
忌中の意味や忌明けまでの期間について
よく「服忌(ぶっき)」という言葉を聞きます。「忌」とは死が穢れとされたので他人との接触を避け、故人の祀りに専念すること。「服」とは喪服のことで、喪服を着て亡くなった人へ哀悼の意を表すこと、またその期間をいいます。
現在、服や忌の期間をとくに決めているわけではありません。しかし、忌の期間は50日の間、服の期間は1年間とするのが一般的とされています。したがって、忌明けというと亡くなってから50日を経た翌日になります。
なお、1874年に下記のように服忌の期間が太政官布告として出されており、これが現在も目安として使われることもあります。
死亡者・・・忌・・服
父母・・・50日・・13か月
夫の父母・30日・・150日
祖父母・・30日・・150日
兄弟姉妹・20日・・90日
夫・・・・30日・・13か月
妻・・・・20日・・90日
お正月のしきたりについて
忌の間は、神祭りはしないのが原則です。神社の鳥居をくぐることも遠慮します。正月飾りや鏡餅の飾り付けなども行ないません。
忌中明けのしきたりについて
☆五十日過ぎたら白紙(半紙)を取り除く
忌が明けたら、白い紙はお祓いをして取り除き、日常の生活に戻ります。
お祓いは自分たちで行なう場合と、神主さんに来ていただいて行なう場合があります。
☆お札の交換
忌中のうちに正月がきたときには、忌が明けたら神社に行き、古いお札を取り替えます。また、この時期の祝事は遠慮します。
掃除について
神棚のお掃除は毎日でなくても、気がついたときで構いません。
本格的な掃除は年に二度、神社で大祓という神事が行われる6月と12月にするのがよろしいでしょう。
喪中明けの掃除についても、いつ亡くなったかにもよりますが、基本的に6月か12月に行なってください。
「知識ゼロからのお参り入門」より
「神棚スタイル」より